1970年代初頭=デヴィッド・ボウイがジギーだった頃。ファッション界における日本人デザイナーといえば、三宅一生かコムデギャルソンの川久保玲だったろう。

私のボウイ好きは、80年の「Scary Monsters」に始まり、ベルギー3部作へと時代を遡り、72年の「Ziggy Stardust」に辿り着いた。

初心な学生だった私は、そのジギーの奇抜な姿に息を飲んだ。
燃えるような赤い髪と白い肌の対比もさることながら、カラダを包むボディースーツがさらに衝撃的だった。
艶やかな黒いPVCに鮮やかなストライプが映えるワイドレッグは、ジギーの故郷=深遠な宇宙を連想させた。

ジギーを地球に誘い、前衛的な演出を手掛けた男は、当時過小評価されがちだった山本寛斎だった。
のちにジギーは宇宙に帰ることになるのだが、地球に残った寛斎のファッション界への貢献は言うに及ばず、大いに評価される偉大な演出家&ファッションデザイナーとなった。

山本寛斎氏のご冥福をお祈りします。