今朝、ミック・フリートウッドとともにフリートウッド・マックを結成したピーター・グリーン氏の訃報にふれた。
私がマックを知った頃、すでに彼はバンドを抜けていたが、名盤『』に彼が参加していればどんな作品になったのか、想像すると楽しい。
ピーター・グリーン氏のご冥福をお祈りします。

そんなことで、今日はサイクリングが中止になってしまったことだし、外出も控えようと、『噂』を引っ張り出してLPとCDを聴き比べ。
さらには2年前の落書きもSNSから引っ張り出してきた。
駄文ではありますが、お時間が許せばご高覧くださいませ。

往年の名盤(CD)に、ボーナス・トラックと称するオマケが付いて再販される。
そのCDも商売のやり方も好きになれない。
さらに、リマスターだ、なんだと、後世の人間がオリジナル音源を好き勝手に弄るのが、ますます許せない。(それらが演者の意図であれば別だが。)
さて、Fleetwood Macの『噂(Rumours)』である。
1977年の発表以降、世界中で売れ続け、小生のMac好きもここから始まった。
メンバー5人全員が、実生活で男女の愛憎劇の主役を演じていた時代、彼らの怒りや悲しみ、絶望、不安から沸き出る負のエネルギーをプラスに転換させ、全てがアルバム創作のために注がれた。
自分たちの過去と失敗を「ゴシップ(醜聞)」ではなく「ルーマー(風のうわさ)」に置換したのであろうアルバム・タイトルからも、彼らのポジティブな姿勢が覗える。
手許にあるのはCDの黎明期、1985年発売の「Target CD」と呼ばれる日本1stプレス。
懐かしいシール帯付、当然ながら曲数、曲順ともにオリジナルLPと同じだ。
以来、これまで「限定盤」やら「◯◯エディション」など、プレミア感を醸し出した『噂』が何度か登場したが、全て小生のキライなオマケ付だった。
しかも驚くべきことに、オマケ曲がオリジナル曲の間に挟み込まれているのだ。
最後にいかにもオマケ然としてぶら下がっていれば、まだ我慢もできよう。
それを堂々と、盤の途中に持ってくるとは、なんとも愚かな所業だ。
磨き上げたはずの音も、キラキラ感が増すほど軽く、そして薄っぺらになる。
そんなわけで、30年以上前のCDを今も手許に置いている。
興醒めなオマケやライナーノーツなどのために、新たに入手する気も起らない。
「何も足さない、何も引かない」がいいのは洋酒だけの話ではないし、極限まで精米された大吟醸より、無骨な安酒のほうがウマイこともある。
オリジナルの楽曲をオリジナルの音と曲順で聴ければ、それで満足。
これぞ、噂の名作なのだ。

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