イチゴが旬である。

といっても今の時代、温室育ちのイチゴなら年中食べられるのだが、本来は春の訪れとともに美味しくなる。

甘いイチゴにさらにコンデンスミルクやシロップをかけて、甘未の淵にドップリ浸かる人もいるが、私は何もつけず、甘いものもあれば酸味の強いものもある、ネイキッド(裸)なイチゴを楽しみたいと思っている。

ビートルズの『LET IT BE』は、当時の製作プロデューサー=フィル・スペクターが、ビートルズの奏でる本来のおいしさにコンデンスミルクやらチョコレートやらをぶっかけ、ただただ甘いだけの全く違うモノにしてしまった。(私が初めて買ったLPレコードなのだが)

2003年に発表された『LET IT BE…NAKED』は、そんな余計な甘みを洗い落とし、酸いも甘いもネイキッドなビートルズを堪能できる、最後の秀作になった。

旧盤と聴き比べたり、昨年末に公開された『GET BACK』を観てから聴いてみるもいいだろう。
酸味の利いたイチゴがウマイように、新しいウマさが発見できるかもしれない。