久しぶりに文庫本を買った。
建築界でご活躍なさっている秋山東一さんがfacebookで紹介されていたものだ。
ナチス、ホロコーストを扱った書籍を読むと大いに気分が滅入ってしまうが、そんなアプローチもあったのかと思わせる歴史改変SF(のよう)で、これなら安心して読めそうだ。
上巻のあらすじ
第二次大戦中のドイツで携帯電話とインターネットが発展し、高度な監視システムが構築されたら? 20世紀初頭にほぼ現代同様のコンピュータが開発されたこの改変歴史世界のドイツで、国家保安局NSAはすべてのデータを監視し、保存していた。この日は視察に訪れた親衛隊の高官のため、アナリストのレトケとプログラム作成係のヘレーネはNSAの有用性を示すデモを行うのだが――クルト・ラスヴィッツ賞受賞の大作SF!
Hayakawa Books & Magazines(β)
LPレコードの「ジャケ買い」というのがあるが、この表紙絵にやられてしまった。
滅多に出ない(自ら出すとは思わなかった)ナチス、ホロコーストの話題が出たところで、蔵書から関係書籍を紹介しておこう。
ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』(1961・みすず書房)
自らユダヤ人としてアウシュヴィッツに囚われ、奇蹟的に生還した著者の「強制収容所における一心理学者の体験」(原題)。
子どもの私にとっては”怖い本”だった。
ローラン・ビネ『HHhH』(2013・東京創元社)
ナチにおけるユダヤ人大量虐殺の首謀者ハイドリヒ。〈金髪の野獣〉と怖れられた彼を暗殺すべくプラハに送り込まれた二人の青年とハイドリヒの運命。ハイドリヒとはいかなる怪物だったのか?ナチとはいったい何だったのか? 登場人物すべてが実在の人物である本書を書きながらビネは、小説を書くということの本質を自らに、そして読者に問いかける。「この緊迫感溢れる小説を私は生涯忘れないだろう」──マリオ・バルガス・リョサ/訳者あとがき=高橋啓
ハル・ヴォーン『誰も知らなかったココ・シャネル』(2012・文藝春秋)
ココ・シャネルについては、これまで数え切れないほどの数の伝記が書かれてきた。しかし、彼女の長い人生の中で、こうした伝記が描いてこなかったことがある。それは、第2次大戦中の彼女の行動である。
『誰も知らなかったココ・シャネル』は、従来の伝記が素通りしてきたこの時代に光を当て、「シャネルがナチスのスパイだった」ことを暴き出した異色のシャネル伝である。/訳者書評=赤根洋子
對馬達雄『ヒトラーに抵抗した人々』(2015・中公新書)
※ブログ公開後に思い出したので追加で掲載。
「いつでも人には親切にしなさい。助けたり与えたりする必要のある人たちにそうすることが、人生でいちばん大事なことです。だんだん自分が強くなり、楽しいこともどんどん増えてきて、いっぱい勉強するようになると、それだけ人びとを助けることができるようになるのです。これから頑張ってね、さようなら。お父さんより」(反ナチ市民グループ《クライザウ・サークル》のメンバーが処刑前に十一歳の娘に宛てた手紙)
◆ aki’s STOCKTAKING
冒頭でも紹介した秋山先生のブログ『aki’s STOCKTAKING』
私にとっては見知らぬおもちゃがたくさん隠されているおもちゃ箱を開けるような、ワクワクがいっぱい詰まっている。
情報量は膨大で、アンテナの高さ、守備範囲の広さに脱帽だ。
そして、実は秋山先生もモールトニアでAM-5のオーナー。
EG squareにも来店なさったこともあって、それも前店時代で我々の大先輩なのである。
テレビばかり観ないで『aki’s STOCKTAKING』を覗いてみよう!
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