前回の二葉館に続き、文化のみち橦木館に入館。
橦木館(しゅもくかん)は陶磁器商として名を挙げた井元為三郎が大正末期に建てた和洋折衷の邸宅で、大正時代の趣きを今に味わうことができる。

入館手続きを済ませ、案内に従ってまずは洋館二階に上がる。
井元商店の看板を進むと陽当たりのよい洋間(展示室)が現れる。

クローバー、ダイヤ、スペードをモチーフにしたステンドグラスは、派手すぎず、落ち着きある佇まいを演出している。
ところでハートは?
・・・あなたの胸に手をあててごらんなさい、といったところか(笑)

陶磁器商の邸宅らしく、陶磁器の製作資料などが展示されている。

次は一階部分。主に和館を公開している。

手吹きの窓ガラスを通して眺める世界は、大正時代にタイムスリップしたような風景だ。

さてさて、昼前に歩いて自宅を出発し、二葉館~橦木館と梯子したので、小腹が空いてしまった。
一階にある橦木カフェでお茶をいただくとしよう。

オーダーしたのはベリーのパンケーキと、貞奴ブレンドというオリジナルティー。
ドライローズと白桃がブレンドされたフレーバーは、少々歩き疲れたカラダを癒してくれる。

晩秋の昼下がり。
雲ひとつなく、陽が当たると暑いくらいの1日だったが、屋内はキリっとした空気が流れていた。
それは、大正から昭和にかけて日本が産業大国として成長してゆく激動の時代を駆け抜けた、井元為三郎の「気」だったのかもしれない。

adiós!