子どもの頃からサッカー小僧だったので、W杯に興味がないことはない。
もちろん、ドイツとスペインに勝った日本代表は、手放しでという訳にもいかないが、素晴らしかった。

しかし、ここ何大会か、どうにも自分の中で盛り上がりに欠けており、なぜなのか、ずっとわからないままでいた。

それが今回、アルゼンチンの優勝でわかった。
それはリオネル・メッシというスターの存在。
今大会は彼のためのW杯と言っても過言ではないだろうし、世界中のメッシ・フリークも『自分のスターが輝くW杯』と位置づけ、彼の活躍を自分のことのように心踊らせて見ていたことだろう。

一方、いつの間にか、僕にとってそんな心を踊らすスターがいなくなっていた。
中学生の頃は”カイザー”ベッケンバウアーや”ボンバー”ミュラーだったし、後年は”ファンタジスタ”ロベルト・バッジオだった。

舞台は94年アメリカ大会、ブラジルとの決勝はPK戦に突入する。
結果、バッジオがPKを外し、イタリアは優勝を逃した 。
大会前は『バッジオのためのW杯になるだろう』と喧伝され、チャームポイントのポニーテールが風になびくように実力、人気ともにピークだった。
だが、大会後はうな垂れた馬の尻尾のごとく評価は地に落ち、猛烈なバッシングを受けることになる。

その後の彼は、人としてもサッカー選手としても成長し、次のフランス大会にも出場したのだが、やはりアメリカで負けた時点で僕にとってのスターはいなくなり、W杯も終わってしまったのかも知れない。