地下鉄を最寄りのひとつ前で降りると小さな町工場がある。
狭い間口の向こう側で、老いた工員が黙々と作業をしている。
工員は多いときでもふたり、油で黒ずんだ作業着が髪色の白さを際立たせている。

左手にはコンビニが明るく往来を照らし、右手の小洒落たマンションには今風のクルマが出入りする。
しかし、この工場だけは時間が止まっているような錯覚に陥る。


📷 Leica Q2