私の読書好きは、北杜夫の『どくとるマンボウ青春期』を読んでから始まった。
高校1年の時だった。

「知の巨人」立花隆の読書量がハンパないことは以前から知っていたが、東京小石川にある氏の事務所(通称・猫ビル)にどんな秘蔵本があるのか、知りたくてたまらなかった。

ある日のこと、『立花隆の書棚』という、まさに私の切望どおりの本が出た。
分厚い本を夢中で読破すると、また本が好きになった。
『どくとる・・・』から30年後のことだった。

私の中ではいつも、北杜夫と立花隆の両氏が「もっと本を読みなさい」と囁いている。

立花隆さんのご冥福をお祈りします。


以下、私がfacebookにアップした『立花隆の書棚』の記事を再掲載しておきます。

僕は立花隆氏の著作をほとんど読んだ記憶がないのだが、若い頃から”猫ビル”と呼ばれる氏の仕事場と蔵書にはとても興味があり、建物中を探ってみたいと思っていた。
秘密基地に潜入し、極秘情報を探し出す、スパイ気分なのだ。
この「立花隆の書棚」という本には、”知の巨人”が読破(蒐集)した数万冊の書物が無造作に並べられた猫ビルの書庫群の写真と、書物にまつわる四方山話が詰まっている。
レンガ様に分厚く、写真が豊富で値も張るが、スパイにはうれしい1冊だ。

facebook 2015年3月17日付